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不動産契約条項解説します!/反社会的勢力の排除条項とは?

・反社会的勢力の排除条項とは?

反社会的勢力の排除条項とは以下のようなものです。

(反社会的勢力の排除)
第17条 売主及び買主は、それぞれ相手方に対し、次の各号の事項を確約する。
① 自らが、暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員
(以下総称して「反社会的勢力」という)ではないこと。
② 自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう)が
反社会的勢力ではないこと。
③ 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、この契約を締結するものでないこと。
④ 本物件の引渡し及び売買代金の全額の支払いのいずれもが終了するまでの間に、
自ら又は第三者を利用して、この契約に関して次の行為をしないこと。
ア 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為
イ 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為
2 売主又は買主の一方について、次のいずれかに該当した場合には、
その相手方は、何らの催告を要せずして、この契約を解除することができる。
ア 前項①又は②の確約に反する申告をしたことが判明した場合
イ 前項③の確約に反し契約をしたことが判明した場合
ウ 前項④の確約に反した行為をした場合
3 買主は、売主に対し、自ら又は第三者をして本物件を反社会的勢力の事務所
その他の活動の拠点に供しないことを確約する。
4 売主は、買主が前項に反した行為をした場合には、何らの催告を要せずして、
この契約を解除することができる。
5 第2項又は前項の規定によりこの契約が解除された場合には、解除された者は、
第16条第2項の規定にかかわらずその相手方に対し、違約金(損害賠償額の予定)として
標記の違約金(G)(売買代金の20%相当額)を支払うものとする。
この場合の違約金の支払いについては、第16条第4項に準ずるものとする。
6 第2項又は第4項の規定によりこの契約が解除された場合には、解除された者は、
解除により生じる損害について、その相手方に対し一切の請求を行わない。
7 買主が第3項の規定に違反し、本物件を反社会的勢力の事務所その他の活動の拠点に
供したと認められる場合において、売主が第4項の規定によりこの契約を解除するときは、
買主は、売主に対し、第5項の違約金に加え、標記(H)(売買代金の80%相当額)の
違約罰を制裁金として支払うものとする。この場合第16条第5項の規定にかかわらず、
買主は本物件の所有権等移転登記の抹消登記手続き、及び本物件の返還をしなければならない。

色々難しい言葉が並んでいて、分かりにくいですよね。
以下で分かりやすく解説したいと思います。

・どうして反社会的勢力の排除条項が不動産の契約に必要なのか?

平成23年10月1日に東京都と沖縄県で暴力団排除条例が施行されたことにより、
47都道府県全てにおいて、暴力団排除条例が施行されました。

多くの暴力団排除条例では、契約を締結する際に、暴力団排除条項を定めることを努力義務としています。
不動産だけでなく、車や保険等様々な契約にも不随されています。

 具体的には、事業者は、事業に係る契約を締結する場合には、
①契約の相手方などが暴力団関係者でないことを確認する
②後に暴力団関係者であることが発覚した場合には契約を解除できるように
契約で定めたりするように努める。

 特に不動産を譲渡する場合などは、事業者であるか否かを問わず、
①その不動産を暴力団事務所に使用するものでないことを確認する
②契約書上で、その不動産を暴力団事務所に使ってはならないこと、
及び、暴力団事務所として使用した場合には売買契約を解除したり、
その不動産を買い戻せることを規定したりするように努めなければなりません。

このような暴力団排除条例の要請に応えるという意味で、
暴力団排除条項を定めておく必要があります。

・反社会的勢力の排除条項をわかりやすくまとめると

反社会的勢力の排除条項を一般の言葉に変えると以下となります。

売主も買主も暴力団や総会屋等に反社会的勢力または構成員ではないですよね?
法人の場合、社長や役員、社員が反社会的勢力ではないですよね?
反社会的勢力に自分の名義を貸すような契約ではないですよね?
契約にあたって上記のことを売主、買主は確約してくださいね。

契約した後、引き渡しが終わるまでに自らもしくは第3者を使って
次のような行為は禁止ですよ
・脅迫的な言動を使ったり、暴力をふるう
・嘘や脅迫・暴力で相手の業務を妨害したり、信用を失うような言動をする

上記の確約事項や脅迫的な言動、暴力を用いた場合は
通知不要で契約を解除できる。

買主は自分はもちろん、反社会的勢力に売ったり、貸したり、無償使用問わず
反社会的勢力の事務所として提供しないことを確約する。
これに違反した場合は売主は一方的に契約を解除できる。

引き渡し前に反社会的勢力に該当しない旨の申告に嘘があった場合や
脅迫的な言動、暴力で契約解除になった場合は解除された法が
相手方に売買代金の20%の違約金を払う必要がある。

引き渡し後に買主が反社会的勢力の活動拠点として提供したことが
判明した場合は、買主は違約の制裁金として
売主に売買代金の80%を払ったうえで、物件を売主に返還する必要があり
その登記費用等も買主が負担する。

・まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました

暴力団排除条例が全国で制定された事実からも明らかなとおり、
反社会的勢力との関係遮断は、重要な社会の要請といえます。

 事業者であれば、反社会的勢力との関係を疑われた企業は、取引上の信用を害することになります。
よって反社会的勢力の排除条項を定めておくことが極めて重要となります。
また一般の売主、買主であっても、反社会的勢力と意図せず契約を締結してしまった場合には、
暴力団排除条項を根拠に反社会的勢力との契約を解除し関係の遮断を図ることができます。

上記にように、不動産の売買契約書には、暴力団排除条項を定めておくべきであり、
暴力団排除条例制定後、私も本条項の無い契約書は見たことがありません。

 万一、不動産の売買契約の相手方や仲介する業者が暴力団排除条項を定めることに
難色を示した場合には、相手方が反社会的勢力である可能性もあります。
よってその相手方と不動産売買契約を締結するかどうかは熟慮する必要があります。

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